農繁期のスピードスプレーヤー


普段あまり使わない農業機械ではあるが、その季節ともなればフル稼働。

しかし、そんな時によく故障するもんですから修理の依頼は緊急事態です。

今回はリンゴの薬品散布のスピードスプレーヤー。メーカーに修理依頼したら部品が無いから修理不能と言われ、困ったお得意様は当社に修理依頼をしたのである。

 

とにかくバラしてみようと工場に持ち込み、状態を確認した所、後輪のハブが空回りしている事と、スピンドルのボルトが折れ、ブラケットが破損しているのです。なるほど、普段壊れるような所で無い為、部品が無い事に察しが付きます。4WD・4WS・パワステとブレーキと装置の連動式の複雑な構造です。しかも部品が無いとなれば最悪である。しかし、これまで鍛えられた逃げない精神で作業に掛かった。

まずは、破損したブラケットの制作と折れたボルトの抜き取りとねじ山の修正に取り掛かり、何とかうまく行った。最後にハブを取り付け終了する筈の予定が、組付けたハブが回らない。何故だ。何回もバラし組み付けし、その原因を探るが原因が判らず今日はひとまず終了。しかしお得意様から催促の電話が。

 

朝、目覚めと共に閃きがあり、再び原因の究明へ。ギヤの奥にあるベアリングとハウジングの間に一ミリほどの隙間を発見した。何とそれは鉄の破片、ベアリングに押され圧着しているのです。これを取り払うにも一苦労。ドライバーを使い、なんとか取り出し、組み付けたら今度はOK!

最後の調整をし、全て調子が良い。何事も諦めない事が大切だと再び自分に言い聞かせたが、

「鉄の破片がなぜそこに?」

結論が出ないモヤモヤがあるが、お客様にその後の調子伺いしたら、「最高!」と言う返事に一安心したものである。


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