ミニバイクとの格闘


今回はバイクの修理です。
車屋にバイクの修理を依頼するとは常識が違うジャンと思われますが、
実はバイク屋さんでも原因がわからないからと言う相談からで、
ならばどれどれ・・・・ということで相成ったわけです。

症状は単にエンジンがかからないというものでした。
セルを回したが、やはりかかる気配が感じられません。
直感、これは重症だなと。
圧縮の抵抗が感じられないからです。
プラグを外しセルをしてもやはり同じ感じであることから、
圧縮の原因へと集中し、シリンダーヘッドを外すと
何と!バルブを作動させるプッシュロッドが1本曲がっているではないか!

シメシメ…これを直せばOKだ。
しかし、なんでこんなことに?
最近はトラクターのエンジンでも似たような修理がありましたが、
その時出した結論はオーバーランということでした。
オーバーランとはエンジンの回転が限界を超えて回した場合に起きる現象で、
特に負荷との関係がありますが、私の経験では、
レース車のエンジンチューニングでこの現象を見てきてましたから、
このプッシュロット式ではよくあることでした。

早速、曲がったプッシュロットをまっすぐにし、組み付けセルしたが症状は変わらず。

うっそ~!?そんなはずは・・・? と。

こんなミニバイクに舐められてたまるかと頭に血が上るのを感じながら、
次にキャブレーターを分解してみた。
フロート室に何かベタベタしたモノが付着している。
それが甘い香りがするのです。
もしや・・・? と思いガソリンタンクのキャップを外し嗅ぐと、
その匂いであることは間違いない。
そうです。甘い砂糖なのです!

もうこのエンジンの内部はメタメタで使い物にならない事は想像できます。
エンジンの摩擦防止のためのオイルとは真逆の砂糖は摩擦を増大させ破壊するのです。

そんな訳でプッシュロットが曲がった原因はバルブが摩擦を起こし
ピストンとバルブが接触し曲がったものと判断しました。

しかし、誰が何のために砂糖を混入させるのか???
ですが、これは悪戯で鍵が開けられる状態のタンクかと思います。
トラック業界でも聞く話ですが、レース界でもこのようなことが過去にあり、
私の経験となっているのですが、最近の平和ボケで忘れられることでしょう。

で、そのユーザーさんに説明したら、えっ?そんなことってあるんですか?ビックリ仰天!
よく聞いたら知り合いに貸していたとのことです。

甘い話には気を付けろ・・・・か。

BM


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