先日お客様から電話があり、ハンドルを切ってバックをするとブレーキが利いている見たいで車が走らなくなる、との修理依頼がありました。
車種を確認したところ、スズキのエブリィ4WDとのことで、このクルマには切替式スイッチのあるパートタイム4WDの車でした。この車種では異常ではないのでお客さまに説明し納得してもらいました。原因はタイトコーナーブレーキ現象です。
この現象をまだ知らないと言うお客様もいる見たいですので説明します
タイトコーナーブレーキ現象とは、切替式4WDで車庫入れ時などにハンドルをいっぱいに切って低速で走行すると、ブレーキが利いているみたいになり走らなくなる現象です。これは旋回時に前輪と後輪に回転差ができ、それが抵抗となり走らなくなる現象です。
この現象はフルタイム4WD(常時4輪駆動車)には起こらない現象です。なぜ起こらないかと言いますとフルタイム4WDにはビスカスカップリングと言う装置が付いていてこの抵抗になる回転差を緩和させているからです。
下の写真はこのビスカスカップリングという部品です
軽自動車のワンボックスバンに多い切替式4WDは、スイッチを押していない時は2輪駆動で、スイッチを押すと前後輪直結(カップリングは付いていません)の4輪駆動になる仕組みです。ですからこのタイプの切替式は普通の路面状態(乾燥路)では使用を避けて下さい。
使えるのは雪道と泥等にはまった場合の脱出用です。そして冬道を走っている場合は4WDでも構いませんが狭い車庫や駐車場等に入れる場合はスイッチを切って2WDにすればスムーズに走れます。
これらの現象を再現するには、4WDでハンドルをいっぱいに切ってアクセルを踏まずバックすれば途中で止まりますが2WDだと止まらず走れます。自分の車で試してみてください。こんなスイッチの付いている車ですよ
サービスマンnakamura
ホンダアクティ4WDです。
車庫入れして2、3日後に乗ろうとエンジンはかかりますけど、ロックがかかって前にも後ろにも動くことが出来ません。無理すると後輪がロックしているようで、タイヤ痕跡が少し残っています。どうすれば良いでしょうか?多忙なおり、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。頂いた質問ですが、後ろのブレーキが引きずりを起こしているのだと思います。12月に入ってからの症状であれば、パーキングブレーキのワイヤーの固着か凍結、ドラムブレーキ内の凍結あたりではないか、と思います。ワイヤーの凍結が原因であれば、後ろタイヤの前側の下回りをのぞき込むとリーフスプリングの下にケーブルが通ってますので、パーキングブレーキを解除してからそのケーブルを引っ張ったり押したり動かしてみてください。軽い引き摺りの場合でもこれで一旦治ることがあります。ドラムブレーキが原因であれば、前後に少し荒めに走ってみて、ダメであれば、タイヤの裏のほうから、ブレーキのバックプレートをハンマー等で曲がらない程度に叩いてみてください。私もアクティTに乗ってますが、寒い朝などちょこちょこなります。それでも解消しない場合は本格的に修理に出された方がいいです。試してみてください。
初心者ですが、ひとつ他にも考えられることがあります。ブレーキのサビによる固着ではないかと考えられます。車検時にはブレーキフルードを交換することを勧めているんですが、交換せずに乗り続けるとフルードに水が混じり、キャリパーやドラム式のピストン部に水がいってしまい、錆び付く元になります。また、皆さん冬場でもサイドブレーキかけてる方が多いですが、お勧めしません。上記にありました通り、凍結してしまって動かなくなる可能性があります。どちらにせよ、ブレーキフルードを交換していないと起きる現象ですので、車検時にはブレーキをオーバーホール(出来ればやったほうがいいかと)してもらえれば引きずりや鳴きを抑えられるのではないかと思います。
ホンダのアクティはビスカスカップリング式の4WDであり、このビスカスカップリングがくせもので、前後の回転差がある状態を長く続けると、焼き付きを起こし、常時直結したような感じになり、センターデフの無い
フルタイムの4wdのようになる。ハンドルを大きく切るとブレーキが利いたようになり(特にバックの際)、非常に走りずらくなる。三菱のリベロというバンもこのビスカスカップリングを使用したフルタイムの4WDだったが(ミッションの内部に組み込まれている)、カップリングが焼き付きを起こし直結のようになった。
ばらして見ると内部に入っている筈のオイルが完全に焼けてこびりついて部品が固着していた。