学習装置に学ぶ


とうとう、直ってしまったアウディA4の不調です。

今や快適な状態になったその原因を探ってみました。

ユーザーからエンジンの吹けが悪く、乗りづらいという依頼で入庫。

試乗してみると低速から加速するとターボラグに似た症状で一瞬だけ吹けが悪い所がありました。しかし、意識しないとわからない状態でもあり、まずは専用のボッシュ故障診断機をあてることに。しかし、異常コードは発見されず、お客様にターボラグではないかと説明し、もう少し様子を見てみることとしました。

数日後、調子が悪く乗っていられないということで再入庫です。

なるほど、最初の症状よりひどい状態でさらにギヤシフトアップにも異常が感じられ、バックギヤまで空転したりとメチャメチャな状態でした。ボッシュで診断したら、明らかにミッションに異常コードが現れたのです。整備マニュアルではミッションに内蔵されているコンピューター不良で交換の指示である。簡単にいうもののとてつもない部品金額に仰天したのでした。

しかし、ここは冷静に過去の経験を辿ってみると、似たような症状のベンツA4とアルファロメオがありました。たぶん今回も同じと確信し、しばらく自分でこのアウディを運転することにしました。

できるだけノーマルな運転操作を心掛け、アクセルを静かに開け、スムーズなエンジン回転をキープしていると症状が良くなっていくのがわかり、正常を取り戻したのです。それは搭載されている学習装置のプログラムが生きてきたのだと思います。

最近ほとんどの車に搭載されている運転学習装置ですが、ドライバーの特徴を検知し、最適なポジションをセットすることで車の持つ性能を極力高め、燃費とガスを抑え、環境汚染に貢献する学習装置はEUでは早くから導入されてきました。

今回の症状は精度の高いプログラムによりポジションの選択が難しかったか、あるいは拒否反応だったかもしれません。全く生き物ですね。

では、どんな運転操作でそうなるかというと、たぶんプログラムにない扱い方ということでしょうか、同乗してみるとよくわかりますね。

ベテランメカ


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