先日お客様から電話があり、ハンドルを切ってバックをするとブレーキが利いている見たいで車が走らなくなる、との修理依頼がありました。
車種を確認したところ、スズキのエブリィ4WDとのことで、このクルマには切替式スイッチのあるパートタイム4WDの車でした。この車種では異常ではないのでお客さまに説明し納得してもらいました。原因はタイトコーナーブレーキ現象です。
この現象をまだ知らないと言うお客様もいる見たいですので説明します
タイトコーナーブレーキ現象とは、切替式4WDで車庫入れ時などにハンドルをいっぱいに切って低速で走行すると、ブレーキが利いているみたいになり走らなくなる現象です。これは旋回時に前輪と後輪に回転差ができ、それが抵抗となり走らなくなる現象です。
この現象はフルタイム4WD(常時4輪駆動車)には起こらない現象です。なぜ起こらないかと言いますとフルタイム4WDにはビスカスカップリングと言う装置が付いていてこの抵抗になる回転差を緩和させているからです。
下の写真はこのビスカスカップリングという部品です
軽自動車のワンボックスバンに多い切替式4WDは、スイッチを押していない時は2輪駆動で、スイッチを押すと前後輪直結(カップリングは付いていません)の4輪駆動になる仕組みです。ですからこのタイプの切替式は普通の路面状態(乾燥路)では使用を避けて下さい。
使えるのは雪道と泥等にはまった場合の脱出用です。そして冬道を走っている場合は4WDでも構いませんが狭い車庫や駐車場等に入れる場合はスイッチを切って2WDにすればスムーズに走れます。
これらの現象を再現するには、4WDでハンドルをいっぱいに切ってアクセルを踏まずバックすれば途中で止まりますが2WDだと止まらず走れます。自分の車で試してみてください。こんなスイッチの付いている車ですよ
サービスマンnakamura