悪たれエンジン


こんな修理できますか? と営業マンからの相談。
やってみようと入庫したのがデンヨー社のウェルダーでした。

これはエンジンの回転で発電し、その電流で金属を溶接するマシンで
依頼者も長いお付き合いのある鉄工所さんからでした。

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修理内容は、まずエンジンがかからない からでした。
エンジンカバーを開けた途端に
「これはとんでもないことになりそうだ」と霊感が働いた。

それはあちらこちらに分解した痕跡があり、
明らかに誰かの手で苦労した魔の痕跡でもある。
なるほど…これは侮れない、まずは呪文から(ウソ)

①セルを回すが、回りが弱い。 ならばと大容量バッテリーで強引に。

かからない

セルの回転に異常なアンバランスがある……  いやな予感

②プラグがドロドロに汚れている。 交換しセルを回した。

かからない

いろいろな作業でとりあえずかかったが、
バックファイアーとミスファイアーが
爆音を立てて襲いかかる……  とにかく調子が悪い

③このエンジン、タダモノでない。 うかつに動くと命を取られるぞ

腕を組み、ガソリンエンジンの三原則を唱える。
良い混合気 良い圧縮 良い点火
そしたらみえた。
シリンダーヘッドの隙間に黒い物が!
そこに目をつけ、バラすと、判った…魔の正体が!
ガスケットを見ると微妙な圧縮漏れ

ここを直したら、エンジンの調子は最高潮
長い間、喉にトゲが刺さっていたのが取れたみたいに。
このエンジン、涙を流して喜んでいるようだ。
その瞬間エンジンカバーが勝手にバタン!と音を立てて閉まりドッキリ。
この時、悪魔が出て行ったのかも!?

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基本に忠実に。
人の作ったものに直らないものはないと。

 

悪魔祓いメカ


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